魔女のカウントダウン☆

この3人には、『バカ』だと言われた。
『都合のいい女してないで嫌なら、嫌って怒りなさいよ!!』
とも叱られた。
あたしだって、何度も
文人に 『他の女なんか見ないで!あたしだけを見て!!』って すがりついて、泣きたかった。
だけど、そう出来なかったのは、そう言った瞬間に 文人とは、終わる… そう解っていたからだ。

でも、今年の文人は 何となく、違っていた。

まず、7月14日のあたしの誕生日を一緒に祝ってくれた事と、毎年 友達とツーリングに出掛けていた年末をあたしと過ごす為に空けてくれた事、後は、3年間 仕事だと言って、キャンセルされてたクリスマスイブの夜も、 一緒に 過ごす予定になっていた。

普通の恋人同士なら、『そんなの当たり前じゃん!』の一言だが、あたしにとっては、待ったかいがあってようやく訪れた春に思えた。


ーーーだが


クリスマスイブ、3日前

『悪い、める…仕事が忙しくてさ、残業続きで、一緒に過ごせそうもない。悪いけど ホテルのディナー キャンセルしといてくれないか』

そう文人から、電話があったのだ。


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