魔女のカウントダウン☆

『・・・・・』

雅彦は、ハンドルに顔を埋めたまま、何も答えてはくれたなかった。



やがて、走り出す車


これ以上、探す場所を無くしたあたし達は、途方にくれていた。


その時


『あっ、もしかしたら!!』

雅彦が突然、叫んで 車を Uターンさせた。


『まだ あったよ あの日、俺達が行った場所』


猛スピードで車を走らせながら、雅彦が言う。

あたしと幸也は 顔を見合せ、首を傾げた。



間もなく、急停車する車
フロント硝子の向こうに見えたのは、無人駅だった。

見ると、駅前には見覚えのある 黒いパジェロが停まっていた。
その向こう… 掲示板の前には 朝靄の中1人の女がたたずんでいるのが見える。


『まさか!?』

あたしは、慌てて 後部席の扉を開いた。

『待て、める!』

幸也が、あたしの腕を掴む。 そして、ニコリと笑うと、指先を掲示板の方向に向けた。『えっ!?』
指を差す、その先に視線を向けるあたし

そこには、驚いている美紀を抱き締める雅彦の姿があった。


『心配させやがって!!』

雅彦が、美紀の髪を撫でる。

『ごめ…』



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