魔女のカウントダウン☆
それと同時に
雅彦と美紀の背後にある掲示板の事を、あたしは静かに目を閉じて思い出だした。
一年前、あたし達は この掲示板に思い思いの落書きを残して、この場所を後にした。
雅彦と美紀は、この掲示板になんて書いたのかな? あの時は、みんなが書いた落書きを見る余裕もなくて、ドキドキしていたっけ…
あたしはそのドキドキのまま、掲示板の隅に小さく、相合傘を書いた。
そして、隣に幸也と書いて欲しくて、自分の名前を 傘の下に書いたんだ。
幸也が、あたしからチョークを奪い取って、自分の名前を書いてくれた時、いい年してあたしは涙が出る程、嬉しかった。
小さな儚い思い出。。。。もう、幸也は忘れてるかも知れないけどね…
そんな事を思いながら、そっと…目を開けた。
その時
『あの、相合傘 消えちゃったな・・・』
幸也が、目を細めて呟いた。
『幸也、覚えてたの?』
『何となくな・・』
目を丸くして訊いたあたしに、幸也は そう言って ソッポを向いた。