魔女のカウントダウン☆

今、思えば…何故 その瞬間に帰らなかったのだろう?と思う。

だって、玄関に女の編み上げブーツがあったじゃないの…

ワンルームしかない文人のアパートは 玄関から 部屋の中が丸見えだった。

ブーツを確認してから、顔をあげたあたしの目に映ったのは、ベッドの上

裸体で抱き合う、文人と髪の長い女の姿だった。
『める!!』驚いた顔して、文人があたしを見た。
こんな事、今迄にも 何回 もあったし…
平気! 平気だから!!

後は、何でも無い顔をして
『じゃあね』って 笑って 帰ればいいだけの話しだったのに…

今年のあたしは、少し、いいや かなり、文人に期待してたせいか

気がつくと、頬に涙が零れ落ちていた。



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