魔女のカウントダウン☆
最後の約束
夕食の時間は、今年もやはり憂鬱だった。
みんなが、はしゃいで話している声が、半分ボヤけて遠くの方に聞こえる。
隣で、あたしと同じように黙り込んでいる幸也が、凄く 遠くに感じた。
夕食が終わり、部屋に戻ろうと立ち上がると
『めるちゃん、ちょっといいかな…』
雅彦があたしを呼び止めた。
『先に部屋に帰ってるね』
美紀があたしの肩を叩く
幸也は、一瞬 あたしを見ると、背を向けて レストランを出て行った。
ロビーの椅子に腰を降ろして、テーブルを挟んで向かい合う あたしと雅彦
『めるちゃん、俺…』
雅彦が口を開いた。
『あれから…美紀とも話し合ったりして、俺なりに、めるちゃんに言われた事、良く考えて見た』
『うん…それで?』
『なんつーかさ…俺、頭悪いからさ、やっぱ、良く解らねーんだ』
『好きな人の上手な忘れ方?』
『うん…だから…』
『だから?』
『解らねーから、忘れるの辞めにした……ってか、この先 どうなるか解らねーけど、美紀に釣り合う男になろうと思う』