魔女のカウントダウン☆


部屋に帰ろう…そう思い立ち上がった時

『あっ、こんな所にいらしたんですか、ちょうど良かった!』

支配人が、ニコニコしながら、あたしに歩み寄って来た。そして

『昨日、約束しましたからこれ、見せようと思いまして』

そう言いながら、一枚の年賀ハガキをあたしに見せた。

そのハガキを受け取り、裏面を見ると、謹賀新年の印刷の後に、自筆で

『もう一度、流れ星を見に、そちらに伺いたいと思っております』

と、書いてあった。

その下には差出人の名前が書かれてある。


橋本 孝之
久恵
める

『あはっ、思った通りだ!!』

自分の名前が一番下に書かれてある事に、思わず、笑みが零れた。


『昨日、もしやと思い、宿帳を確認しましたら、やはり、そうなのだと納得しました。めるさんは、わたしが知っていた頃の久恵さんに良く似ておられます』


『あたしが、お母さんに?』支配人の言葉に顔をあげるあたし


『ええ…わたしがその昔、恋焦がれた思い出そのままの面影があります』

支配人は、そう言うと 照れ臭そうに微笑んだ。


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