魔女のカウントダウン☆

『昨日、支配人さんから話を訊くうちに…もしかして、父と母の事じゃないかと思いました。詳しい事は知らなかったけど、この志賀高原で出逢って恋に落ちた事は、耳にタコが出来る位訊かされてましたから…』

『・・そうですか、孝之さんは、足の調子はどうですか?』


『はい…あたしが小さい頃は、車椅子でしたけど、リハビリのおかげで、今は、びっこを引いていますが杖を使って歩ける程に回復しました』


『そうですか、良かった!』

支配人が、満面の笑みを浮かべる。
あたしは、父が歩けるようになるまでの…母の苦労を思い出していた。

常に、父を励まし続けて、支えた母
冬になると、痛む父の足に熱いタオルをあてて、懸命にマッサージを繰り返していた。

『いくら頑張っても駄目だよ』と落ち込む父に母は
『頑張って、出来ない事は何もない!!』
と激を飛ばしていた事もあった。



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