魔女のカウントダウン☆
あたしの目の前に立つ文人が、何か言いたげに、口を開く。
だけど、言い訳を聞く余裕は、あの瞬間のあたしには無かった。
『文人のバカヤローー!!!!』
そう思いっきり叫んで、持っていたクリスマスプレゼントのネクタイとシャンパン、それに ケーキを投げつけた。
後から、後へと 溢れだす涙
止めようとしても、止まらない感情
7年間 付き合ってきて 文人の前で、初めて見せた本当のあたしだった。
だけど、その直後、後悔した。『ちっ!』文人の舌打ちが、聞こえたのだ。
彼の表情を見るのが 怖くて、 あたしは そのまま背を向けて、扉を開き、走りさった。
もう、何もかもがぐちゃぐちゃで、今 自分が何処にいるのかさえ 解らずに ただ走り続けた。
途中、息を切らせながら、足を止め 振り返ったのは もしかしたら、追いかけて来てくれるかもしれない!!
そんな、淡い期待があったからだが
やっぱり、文人に限って そんな事 あり得るはずも無く
振り向いたあたしの
瞳に映ったのは、クリスマスイブの夜にはしゃぐ、見知らぬカップルと家族連ればかりだった。
その後、どうしたんだっけ?
少しの間 考えてみる。