魔女のカウントダウン☆

あたしは、慌てて2人の間に割って入った。
母が口を尖らせる。
『んもう、めるったら、いい所なのに…』

『あっ、そう言えば、めるが居たんだったな』

父が、照れくさそうに後ろ髪を撫でた。


はっきり言って、うちの父と母はいつもこうだ。
何かにつけて、イチャイチャしたがる。

娘がこんなに不幸だって、言うのに・・

『大体さあ〜、いい年して恥ずかしくないの!?』
あたしは声を大にして2人に言い放った。
それに対して、キョトンとした表情をして、あたしを眺める母『何が恥ずかしいの?』逆に訊き返す。
苦笑いを浮かべて、あたしは戸惑った。
『いや、だからさ〜』

『める、母さんはね、苦労して、やっと お父さんと結婚出来たのよ。イチャイチャしなきゃ、勿体ないわ』


『母さん』


父が母を見詰めた。

苦労、その言葉に
あたしは、ホテルの支配人から訊いた2人の過去を思い出した。


< 153 / 302 >

この作品をシェア

pagetop