魔女のカウントダウン☆

『これだけは、貴女に言っておきたいんだけど、もし、貴女が・・いつか 私のように叶わないかも知れないと思う恋で悩んだら…その時は、思いきって 相手に自分の想いを全て伝えなさい!』


『お母さん…』
母の言葉に、あたしは目を見開いた。

『だけど、それでダメだったらと思うと怖いよ…』
母から視線を反らす。


『それでダメなら、いいじゃないの』
母の声が訊こえた。

『一番は、自分の気持ちに正直である事なのよ、める。正直でなければ、きっと、後で後悔するわ』


自分の気持ちに正直である事

母の言葉が胸に深く突き刺さった。


だって…あたしは


自分に正直じゃない…。


あの人に、まだ 何も、伝えてない。


『もう一度、カウントダウンパーティーに来いよ』


ずっと、心の中にあった、あの日の幸也との約束が甦る。


『ごめん… ちょっと、出掛けてくる』

あたしは、そう言うと、椅子から立ち上がった。



< 155 / 302 >

この作品をシェア

pagetop