魔女のカウントダウン☆
何故か、カウントダウンに間に合わなければ全てが終わってしまうような気がして、心がたまらなく震えた。
青信号に変わると再びアクセルを踏み込む。
高速インターのETCゲートを抜けると、スピードを更にアップさせた。
横殴りの雨が、トンネルを抜けて、群馬から長野に入る頃、雪に変わる。
志賀のふもとの温泉町に着いた時、その雪は、大粒に激しく吹雪いてきて、フロント硝子の向こうの視界を極端に狭くした。
やっと、ホテルの駐車場にたどり着いた時、時刻は午後11時50分
年明けの10分前だった。
駆け足で、ホテルの自動扉を開け、会場内に入ると あたしは、夢中で幸也の姿を探した。
居ないかもしれない。
だけど、もしかしたら…
揺れ動く気持ちと共に、人ごみを掻き分けて視野を前後左右に降る。
だけど、いくら探しても幸也は居ない。
その時
無情にも、会場の明かりが消される。
ステージにスポットライトがあたり、司会者が姿を表した。