魔女のカウントダウン☆

『0!!』

掛け声と共に、無数のクラッカー音が聞こえる。

『だっ、誰!?』

あたしは、突然の恐怖に、身体を引き離そうと必死にもがいた。
だが、背中に回された腕の力が更に強まる。
胸に強く押し当てられて、顔を上に向ける事すら出来ない。

『おめでとう!!』

次々に飛び交う周囲の歓喜の声 『いや!!離して!!』叫びながら
あたしは、その誰かの背中を拳でドンドンと叩いた。

その時



『める…』



耳元で、あたしの名前が訊こえた。



『えっ!?』


瞬間、抵抗していた拳が
止まる。


(あたし、この声 知ってる)

そう思った瞬間、全身の血液が逆流した。



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