魔女のカウントダウン☆

『おい、ちょっと 何言って…!!』

慌てて席を立ち上がった俺の腕を雅彦は掴んだ。

『ちょっと、ごめんな』

そう言って、ロビーに引っ張って行く。

エレベーター横のトイレに入ると

『お前、余計な事言うなよ、後 後 面倒になるだろ!』

そう言った。


『後 後って 何だよ? 俺は・・』

そう言いかけた時、雅彦が俺の言葉を遮った。

『お前、アバンチュールの基本 理解してねーだろ? 遊びだよ、こんなの…』

『遊び?』


『そうだよ、あっちだって、きっと そのつもりさ… 念のために釘さしてるんだよ俺は…』


『違う! 俺は、本気で』

『本気? バカだな お前 だったら、訊いてみろよ、めるちゃんに…』
雅彦は、そう言うと俺に背を向ける。

『とにかく、余計な事 言うなよ!』

トイレから出る瞬間、そう付け加えた。


< 169 / 302 >

この作品をシェア

pagetop