魔女のカウントダウン☆
次の朝
めるを乗せて、段々と小さくなって行く
パジェロの背中を、俺は 部屋の窓から、ずっと 見詰めていた。
車が生い茂る木々の間に消えた時
これはただのアバンチュールだったんだと自分に言い聞かせた。
言い聞かせて、彼女を忘れる事を誓いながら
『…あばよ』
と、小さく 呟いた。
実際、東京に戻った俺は、めるの事など、忘れていた。
ホストである、雅彦の紹介で、適当に女と遊べてたし… このまま、緩やかに 時間は過ぎて行くんだと思っていた。
めるをすっかり忘れた俺は
夏の蒸し暑い夜
久々に雅彦 哲太 一也と顔を合わせたビアガーデンでネクタイを緩めながら仕事の愚痴を溢していた。
『まあ、大変だよな…俺みたいなホストと違って、お前は、お堅い公務員だもんな』
雅彦が笑う。