魔女のカウントダウン☆

雅彦が美紀ちゃんから、逃げるように連絡を絶ったと訊いたのは、それから間もなくの事だった。


『本当に、それでいいのか?』

そう訊いた俺に

『…また、ゲレンデでナンパでもして遊ぼうかな…』

雅彦は、そう力無く呟いた。



『あの時は、苦しかったよな〜』


雅彦が当時を振り返り目を細める。


『わたしも、訳が解らなくて、随分 悩んだわ…』

美紀ちゃんが涙ぐみながら言った。



『いや…そうで無くてさ…幸也とめるちゃんの話に戻ろうぜ』

哲太が、呆れ顔で話を遮る。

『だけど、幸也が小学校の教師だったなんて、ビックリした。あたし、ずっとホストだと思ってたから…』
めるが、俺を見た。

『うん、ごめんな…言いそびれちまって…』

俺は、めるにそう言葉を返したけど、言いそびれたなんて嘘だ。


わざと黙っていたんだ。

2度目に、再び再会してしまっためるが憎くて、俺は自分の本心を何1つ めるに伝える事が出来なかった。


< 177 / 302 >

この作品をシェア

pagetop