魔女のカウントダウン☆
あれは、幸也の部屋に4回目に訪れた時だ。
あたしは、彼に美味しいビーフシチューを作ってあげたくて、前日に特訓を重ねて、はりきってた。
来る途中、スーパーで材料を買い込み
ついでに隣の雑貨屋の店先に並べてあるエプロンを買った。
迷わず、プーさんエプロンを購入したのは、あたしが、大のディズニー好きだから・・
いい年はしてるけど、可愛いものには目が無いのだ。
まあ…とにかく、あたしは彼の部屋で、エプロンを身に付けて、ビーフシチュー作りに取りかかった。
壁の時計を見上げると
午後6時30分
7時30分頃には、帰ると言っていたから、後1時間
『よし、やるぞ!!』
気合いを入れて、ジャガイモの皮をむくあたし…
これって、奥さんみたいじゃない?
自然と、顔がにやける。
ショルダーバックの中には
ここに来た最初の日に
『毎日…俺の部屋に来る事』
なんて、嬉しい事を言われて渡された合鍵が、プーさんのキーホルダーと共に眠っている。
もう、世界中の幸せが自分の手の中に全部詰め込まれているんじゃないか
そんな気がしていた。