魔女のカウントダウン☆
『全く、あいつも見境いないわね…こんなオバサンにまで、手を出して!』
『おばっ おばっ…』
おばさんーーっ!!
ですとぉーーー!!!
女の言葉に、瞬間、頭の隅で、血管がぶちっと切れる音が訊こえた。
『あんた、いったい何なのよ!!』
女を睨み付けて、怒鳴る。
『あたし…? あたしは幸ちゃんの女よ!』
『女!?』
爪先から、背筋に冷たい悪寒が駆け上がった。
『嘘よ、そっ、そんなはずない!』
首を横に振る。
だって、幸也の彼女は、あたしのはずだもの…
『嘘? 話にならないわ、あんたじゃ、幸ちゃん居るの?』
女は、そう言うと、ドアをこじ開ける。
『やめて!入らないで!!』
あたしは、叫ぶと女を外に追い出した。ドアを力任せに閉める。
『ちょっと、あんた ふざけないでよ!! 幸ちゃん、居るんでしょ?出しなさいよ!!』
女は、けたたましく扉を叩いた。
途中からは、足で蹴っているのか、振動で大きく身体が揺れる。
『彼は、居ないわよ!帰って!!』
たまらず、ドアに背中をつけたまま、叫ぶあたし
嘘だ!! 絶対、嘘だよ!!
心で叫んだ。