魔女のカウントダウン☆

『居ない、居ないの?本当に?』


『本当よ、お願いだから帰って』


『本当に?』


『本当よ!!』


扉を挟んでの会話

少しすると、声が訊こえなくなった。

『帰ったのかな?』

あたしは、確認の為、少しだけドアを開いた。

女の姿は見えない。
だが、ほっとしてドアを閉めようとした瞬間

『グスンッ』

何やら、泣き声らしきものが訊こえた。

ドアを開いたまま首を横に向けると、壁に凭れかかりながら、女がしゃがみこんでいる。
膝を抱えて、泣いていた。
女は、あたしに気がつくと
『あたし達、遠距離だけど付き合って、5年になるんだ』

そう言った。

『それ、本当?だって、彼、あたしには、彼女なんて居ないって言ってたわよ』

あたしが、そう言うと

『うふふ…この前、ここに来た時、中にいた女も、そう言ってた』
笑いながら、彼女は答えた。

『そんなっ!!』

ヘナヘナと座り込むあたし

もう、限界…体に力が入らなかった。


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