魔女のカウントダウン☆
その時、突然彼女が、また泣きだした。
泣きながら、彼女はこう言ったんだ。
『電話で、幸ちゃんは、反省したって、もう…絶対に雅以外の女を見たりしないって、けっ…結婚してくれって、そう言ったんだよ!』
雅…彼女の名前?
いえ…そんな事思ってる場合じゃない。
『けっ、結婚!?』
叫んだあたしに、彼女はコクリと頷く。
瞬間、目の前が真っ白になった。
だけど…その後、そうか…と勝手に思考が納得を始める。
幸也は今日、彼女がここに来る事を知っていたのだ。
で、自分は修羅場を回避するために、帰宅時間をわざと遅らせて、あたしと彼女を会わせる。
自分には彼女が居て、結婚まで考えていると、無言のまま、あたしに教えているのだ。
つまり、今日で幸也はあたしと別れるつもりだったんだ。
・・・やっぱり、あの志賀高原での事は、ただの遊び…。
あたしをからかって、楽しんでたんだ!!
『…そう、解ったよ。よーく解った!! 雅さんって言ったけ、彼が帰って来たら伝えて… 』
あたしは、ガタガタと震える足に激を飛ばしながら立ち上がる。
彼女が訊いた。
『えっ、何て?』