魔女のカウントダウン☆
好きなんだよ。
この気持ちはどうしようもないんだ。
今、目の前に殴られて傷ついている文人を見ても、もう可哀想としか思えないあたしがいた。
『へぇ〜 お前が文人って奴か、悪いな…こいつだけは、死んでも渡さねーから』
幸也は、そう言うと無言であたしの手を引いた。
何故この場所に彼がいるのか解らないけど、幸也が来てくれた。
死んでも渡さないって、言ってくれた。
もう…それだけで、あたしの涙腺は大崩壊してる。
幸也に手を引かれながら、あたしは、子供みたいにしゃくりながら泣いた。
足を止めて、あたしに振り向く幸也。
『何 泣いてんだ。お前、まさか、まだあいつの事が・・』
そこまで彼が言った時
『そんな訳無いでしょう!!』
あたしは、力いっぱいに叫んだ。
『じゃあ、何で一緒にいるんだよ!!』
『偶然に逢ったんだよ』
『偶然に?本当か!?』
幸也は確かめるように顔を覗き込む。
『本当だよ。嘘発見機にかけて誓うよ』
『嘘発見機・・んなもんどこにあるんだ?』
幸也が訊いたので、あたしは彼の手を掴んで自分の心臓の上に置いた。