魔女のカウントダウン☆
ガクリと肩が落ちる。
『もう、何なのよーー!!!!』
お腹の底から力一杯に叫んだ。
その後、フロントに戻り、携帯を取ると、幸也の携帯にコールを入れた。
『ピピピ…♪』
あたしの横に置いてあるバッグから鳴り響く着信音。
あの…バカ、携帯を置いていった。
ふつふつと怒りが込み上げる。
そして、その怒りは、ゲレンデに戻り、皆に事情を説明した後の雅彦の言葉で頂点に達した。
『大切な忘れ物って、カメのゆいちゃんだったりして、あいつ、毎年 アパートに残して来るゆいちゃんの心配してたから…』
その直後、雅彦は、はっと口を押さえて、あたしを見た。
(カメのゆいだと…?)
『フフフ…』
知らず知らずのうちに、笑いが込み上げる。
『める…顔が…怖い』
美紀が雅彦にしがみついた。
『カメだったら、あいつ、マジ 殺す!!』
あたしは、そう言い捨てるとみんなに背を向けた。