魔女のカウントダウン☆

結婚しようよ2


幸也の居ないゲレンデは、はっきり言って、凄く詰まらなかった。

一応、滑ってはいるけど、全く、気合いが入らない。
昼食にとレストランで、皆で食事をしている最中も、考えるのは幸也の事ばかり…。
気がつくと、地の果てまで続くような、深いため息が、何度も口から吐き出されていた。


『める…元気出してよ。めるが、そんなんじゃ…あたしら楽しく無いじゃん!』

歩夢が、口を尖らす。

一也が言う。
『そうっすよ。元気出して下さいよ!』

『うん…』

と一応 頷くあたし

だけど、目の前の美紀と雅彦のイチャイチャ振りを見ると、また、ため息が零れてしまうのだ。


幸也!早く帰って来て…。

いつの間に、こんなに彼に依存していたんだろう?

…幸也が居ないと、何もかもが、灰色に見える。

だけど、横に幸也が居れば、例えば、灰色に曇った空でも、光輝いて見えてしまうのだ。

少し前に、歩夢にそう話した時

『それが、愛の力って奴なのよ!』

と、言ってたけど…

愛は、怖い… と思う。

今、彼を失ったら、あたしは、間違いなく死んでしまう。 …と思う。
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