魔女のカウントダウン☆

午後からは、途中でスキーを止めて、ムカデになったり、コブに挑戦したりしてみんなで、遊んだ。


気がつくと、辺りは薄暗くなっており、時間を確認すると、もう午後6時近く。

そろそろ帰ろうかと、板を外してホテルに向かった。
ホテルに着くと、一年振りの支配人の笑顔が出迎えてくれた。

『お久し振りです』

頭を下げるあたし

『お帰りなさい。今年のカウントダウンも盛大ですよ!』
支配人は、そう言うと相変わらずのくしゃくしゃ顔で笑う。

あたしは、支配人のこの笑顔が大好きだ。

人柄の良さが滲み出ていて、なんとなく、安心できる。

『今年もお世話になりまーす』

続けて、みんなも声を合わせて、一斉に頭を下げた。

『あれ、1人足りませんね。幸也君は?』

支配人が、不思議そうに訊く。

『ええ、カウントダウン迄には、来るみたいです』

苦笑いを浮かべながら、あたしはそう答えた。


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