魔女のカウントダウン☆
確かに、歩夢の歌はひどい!! カラオケボックスは、歩夢がマイクを握った途端に地獄に変わる。
『じゃあ、何になるの?』
あたしは訊いた。
『うふふ…』
と含み笑いを浮かべる歩夢
『小説家よ!!』
と答えた。
『小説家!?』
一也が、目を丸くする。
『そう、実はさ、あたしこう見えても…結構、文才あるのよ。 今まで、黙っててごめんね。みんなには悪いけど、ここまでの実話書かせて貰ったわ!』
『ええーっ!? あたし達の事、小説にしたの?』
代表して、美紀が訊く。
『うん、書かせて貰った。これで帰ったら、仕上げて、応募して、新人賞取るつもり、で 晴れて、小説家デビューよ』
『で、その小説のタイトルは?』
雅彦が訊いた。
にっこりと笑って答える歩夢
『タイトルは・・』
息を飲むあたし達
『魔女のカウントダウン!!』
『魔女の・・・
・・・カウントダウン』
何だか、ヘンテコな名前だ。
だけど、いいタイトルだと思う。