魔女のカウントダウン☆

加奈が美紀の肩を抱く。

『ったく、雅彦の奴 あそこまではっきりと言わなくてもいいのに…』

『雅彦が、美紀に何を言ったの?』

あたしの問いに、歩夢が、口を開いた。

『美紀とは、いい思い出を作れて良かったって、その後に、ホストクラブの名刺を、渡して 今度は、ホストと客として仲良くしようね ってね 言ったのよ』


『そんな!!』

あたしは、言葉を失った。加奈が美紀を抱き締めながら言う。

『ったく、ムカつくよ!あいつら、言われなくても、解ってるっつーの!!』

『・・幸也は? 幸也はなんて言ってたの!?』
訊いた声が、震えていた。歩夢が、答える。

『幸也君は、黙ってたけど、雅彦が、言うには みんなホストだって、言ってたわ… 純情そうな振りをしていても、中身は 女をたぶらかすプロだったのよ』

『みんな、ちゃっかりと本命はいたりしてね?』

加奈が、せせら笑いながら言った。


瞬間


『ゆい』

幸也の口から漏れた女の名前が浮かぶ。

足の爪先から、全身に 激震が、走り抜けた。



< 59 / 302 >

この作品をシェア

pagetop