魔女のカウントダウン☆
『嘘でしょう……』
立っていられなくて、床にヘナヘナと座り込んだ。
『める、あたしら アバンチュール楽しんだだけなんだよ… もう、忘れて 現実に戻ろう』
歩夢が、床に膝を落とし、あたしの肩を抱いた。
『・・・・・・』
あたしは、無言で暫く、考えた後
『うん』
と、力無く、頷いた。
その夜、何だか寝つかれなくて、あたしは、何度も寝返りを繰り返しながら、彼の事を考えていた。
何度も、転びながら、お尻をさすっていた、幸也の姿が、閉じた瞼の裏側に甦る。
おっかなびっくりで、ボーゲンで滑っていた幸也
上手く出来た時のあどけない少年のような笑顔
あの笑顔に、あたしはやられたんだと思った。
唇に、そっと触れて見る。
まだ、幸也からのキスの感触が残っているような気がした。
それだけじゃない…
彼に抱かれたあたしの身体には、まだ 彼に愛された印が、赤々と残っている。
みんな、遊び?
幸也にとっては、それが
一夜のアバンチュールだったんだ。
そして、明日 ゆいと言う女の元へと、何食わぬ顔をして、彼は戻って行く…。