魔女のカウントダウン☆

去年迄のあたしなら、泣いて喜ぶような、文人からの言葉でも、何だか 他人事のように思えて、文人が側にいても、心は何故か、ぼんやりと遠くを眺めていた。

そんなあたしに不安を感じたのか?

9月の始めだと言うのに

『今年のクリスマスと年末は、ずっと一緒にいような』
と、文人から早々と 先約宣言をされた。

『うん』

あたしは、頷いた。頷いて、文人の優しさを信じよう!そう思った。



10月の半ばになると、歩夢から、『久々に4人で集まらない?』と誘いの連絡があった。


きっと、毎年恒例のスキー旅行の話しかなと、予感していた。

『今年は、絶対に行けないな…』

そう呟きながら、あたしは歩夢の家の前に立った。
手に持ったワインは、久々に、4人で飲み明かそう! そう思って、来る途中の酒屋に寄って購入したものだ。

チャイムを押す。

『勝手に入って!!』


中から、歩夢の声が聞こえた。



< 65 / 302 >

この作品をシェア

pagetop