魔女のカウントダウン☆
とにかく、酒を飲んでくだを巻いたらしい。
後で歩夢に訊いた話しだが
歩夢の母にも、かなりの醜態をさらしたらしく、それ以来… 歩夢の家族の顔をまともに、見れないのだ。
『そんな事、気にする必要無いよ!』
と、歩夢は言うが、もしこれが逆だったら?
歩夢があたしの家に来て、醜態をさらしたとしたら、歩夢はきっと、二度とあたしの家には、顔を出さないのじゃないか?・・と思う
そんな事を考えながら、歩夢の部屋のドアを開いた。
『おっ!久々に見る顔だ!』
先に来ていた加奈が微笑む
『まあ、座んなよ!』
歩夢は、そう言うと あたしの手に持ったワインを取り上げて、ニカァ〜っと笑った。
美紀は、まだ来ていないようだ。
『美紀だけど、さっき電話があってね、少し遅れるって言ってた』
歩夢が言う。
『そう、美紀は忙しそうね』
コートを脱ぎ、ハンガーにかけると あたしは腰をおろした。
側にあったカエルのクッションを抱き締める。
歩夢の部屋の中では、あたしの一番のお気に入りだ。
『まあ〜 忙しいんだろうね…仕事とは別の意味で』
歩夢が、グラスにワインを注ぎながら意味深な事を言う。