魔女のカウントダウン☆
『ちょっと待って、あの男がいるって事は、一也もいるって事!?』
歩夢が美紀に問いかける。続いて加奈が口を開いた。
『哲太もいるのかな?』
『さあ…解らない だけど』
美紀が谷側を眺めて答えた。
『去年と同じメンバーで来てる可能性は高いわね』
美紀の言葉に、息を飲む 歩夢と加奈
あたしは、そんな彼女達の会話をどこか遠くで訊いていた。 ・・・それは
(幸也)
苦い思い出と共に、忘れられなかった名前が、ぐるぐると頭の中を回転しているせいだった。
『だけど、例えそうだとしても、あいつらとは、もう関係ないし… バッタリ会っても 無視しよ』
下に降りて、リフト待ちの列に並ぶと歩夢が言った。
『そうだよ!あんな奴ら、無視 無視』
加奈が歩夢に同意しながら頷く
『……うん』
と答えながら、あたしは横目で隣の美紀を見た。
美紀は、先程から、沈黙のまま列の先頭を覗き込むようなしぐさを繰り返している。
滑っている最中も、時々 板を止めて、周囲を見回していた。
明らかに、誰かを探しているようだった。
その誰かとは・・・?