魔女のカウントダウン☆
何だか、嫌な胸騒ぎがして、あたしは必死で美紀を探した。
その時
『ちょっと、貴女一体何なのよ!!』
女の罵声が聞こえた。
人込みを掻き分けて声の方に向かうあたし
そこには、雅彦を挟んで、女と美紀が睨み合いをしている姿があった。
瞳を潤ませながら、女に背を向け走り出す美紀
『美紀!!』
あたしは、叫んで、美紀の後を追いかけた。
雅彦の横を通り過ぎる時、あたしは、彼を睨み付けた。
瞬間的に、雅彦が美紀を泣かせた!
そう思ったからだった。
会場から外に出て、回りを見渡すと、美紀は、ロビーの大きな硝子窓にへばりつくようにして両手をつき、下を向いていた。
『美紀』
荒くなった呼吸を整えながら、あたしは美紀にゆっくりと近づく…。
『める!?』
美紀が、ビックリしたようにあたしを見た。
だが、その視線はすぐに下に反らされる。
『美紀、貴女 まさかずっと、雅彦の事・・』
あたしがそこまで、言いかけた時
『そうだよ、める わたしは、ずっとあの日から雅彦の事を忘れられなくて、追いかけてたんだよ』
美紀が呟くように…そう言った。