隣室303号室
――・・・・・・




「初めまして☆佐々木君!」

「えっと、『紀子(ノリコ)』ちゃんだったよね?」


「そう紀子!もう覚えてくれたんだ〜っ!!!」


「だって紀子ちゃん、自己紹介のときすっげー元気良かったからさっ」






彼は、もうすっかりクラスに溶け込んだみたい。


紀子とは特に仲がいい。





紀子は、

あの校門から教室に行くまで、すっごくハイテンションだった、あの子。



皆は、彼女のことを『ハイテンション紀子』と呼んでいる。


理由は・・・・言わなくてもいいと思う。




「――なぁ」


2人の様子を、呆れた様子で見ていると、隣の春香が小声で話掛けてきた。



「なに?」


私も小声で応じる。



「俺達、このままだと勉強出来ないよな・・・・」

「うん。・・・・だと思う」




『はぁ・・・・・・』




今日3回目のため息を、春香と一緒に吐いた。
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