隣室303号室

初めての登校

太陽という人は、私と同じ高校で、同じ二年生。


外見は、普通。




「――もう挨拶したし、用済んだよね。じゃ、さよなら」



そう言って扉を閉めようとしたとき、「なぁ明良!」



「なに?」

「明日学校一緒に行こーなっ」




私は、拍子抜けした。

会ったばかりの、それも嫌そうにしてる相手に、普通言わないでしょ。



・・・・不思議な。

私の顔が少し歪んでいることに気付いたのか、彼は少し大人しくなった。


「・・・俺、こっち来たばっかりで、何もわかんないしさ・・・・」


「あたしだって時間ないし・・・・」

「時間?何の?」




「遅刻。いつも、寝過ごしてなくなるから」




そのおかげで先生に、

遅刻常習犯のプロ

とかいうあだ名を付けられてしまった。




「これ以上あだ名がひどくなるのは嫌だから、
一緒に行けないんだよね」

「じゃあ――」



言い終わる前に、じゃっ。と言って、私は扉を閉めた。・・・・・・。


< 2 / 12 >

この作品をシェア

pagetop