隣室303号室
「はぁ」
もう一度ため息を吐いた時、聞きなれたチャイムが鳴る。
「あ・・・・」
と、同時に。
前から、あの声が聞こえてきた。
「初めまして!」
佐々木太陽。
「今日から、ここ2-Aに新しい仲間になる、佐々木 太陽君だ!
皆仲良くしろよー?」
「よろしくお願いします!」
会ったときに見た、彼のへらへら顔。
「じゃあ、佐々木の席は、水嶋明良の後ろな」
「あきら!同じクラスだったんだー」
そう言って、ブンブンと手を振る。
ほんと、子供みたいだなぁ。
手を振り返すと、彼はあはっと笑った。