後ろ姿・・・
「おっ?…楓チャン?」
後ろから…声がした…
ゆっくりと振り向く…
「あ…せん…ぱい」
「おはよう!…なんか気合い入ってんなあ!」
先輩は,私のおだんごにしてある髪に触れた…
「は…走るとき…じゃまかなあ…って…」
ヤバい!!!
ちょっと触れただけなのに,体温が上がる…
私…おかしくなっちゃったのかも…
「あはは…だよな!髪…長いもんなあ」
「えへへ…」
「まあ…これもかわいいからいっか!」
「かっ…かわいい!?」
やめてーーー!
これ以上…私をおかしくしないで!!
ただでさえ,先輩の笑顔で危ないんだから!!
「あはは!ほんと楓チャンは面白いね!」
「もぉ……」
「ほらっ!今日はがんばろうな?」
ぐいっと頬を持ち上げられて,顔を覗き込まれる…
「ひゃ…ひゃぁい…」
「ぷっ…じゃあな?」
先輩はまたみんなの輪の中に消えていく…
さっきまでここにいたのに…
自然に輪の中に溶け込んでいる…
やっぱ…
先輩はすごい…
あの笑顔…
きっと友達もいっぱいいるんだろうな…
私は先輩の大きな背中を見つめた…