加納欄の社員旅行 シリーズ18
「銀行どこかになかったか?」

喫茶店を探していたら、高遠先輩が突然言った。

「さっき見掛けましたよ。道1本後ろの右側で」

「じゃ先、銀行」

高遠先輩の言葉に、もはや抵抗する気力も失せて、あたし達3人は、銀行に寄ることになった。


「私もおろします」

なんだか無性に買い物したくなった。


どうせ、北海道に来たのなら、美味しい食材を買い込んでやる!


あたしと高遠先輩は、空いているキャッシュディスペンサーに向かった。

バッグから財布を取り出そうとした瞬間に、突然拳銃を持った男が乱入してきた。

「静かにしろっ!」

「これが目にはいんねぇのか!少しでも動いたり、騒いだらコレでぶち抜くぞ」

コレと言って、男は、ライフルを、窓口の女性に突き付けた。


「この袋に金入れろ!早くっ!!」

そう言って、男は、黒のエナメルバックを、窓口で怯えている女性銀行員に、投げた。

あたしと高遠先輩は、体制を低くし、出来るだけ犯人を確認しやすい位置に移動していた。

大山先輩は、出入口付近にいた。

大山先輩と目が合うと、大山先輩は、さりげなく、指を3本だした。


犯人は3人(-.-)


ここからだと、あと1人が確認出来ないよ……。


「欄」

高遠先輩に声をかけられた。

「はい」

「行ってこい」

「はい〜???」

思わず叫んだ言葉に、見えなかった犯人の最後の1人が、あたしに銃口を突き付けた。


センパァァァイ(:_;)


「大人しくしろって言ってるだろ!」

犯人は、あたしに拳銃を突き付け、怒鳴った。

ただ、銃口はあたしに向いているものの、狙いが定まっていなかった。

あたしはその隙をついて、犯人の拳銃を持っている手首に、蹴りを入れて、拳銃を弾き飛ばした。

不意をつかれて、犯人は手首に手をやるが、拳銃を探そうと首をひねらした。

あたしはさらに犯人に向かって行った。

その瞬間に、高遠先輩も大山先輩も、残りの犯人に組掛かって行った。


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