約束〜不確かな未来〜
潮の香りが微かに鼻先を掠める。


空は雲も多く、時折太陽を遮っていた。


(これ位が調度いいや…)


念のため、日焼け止めを持ってきていたが

あんまりのカンカン照りは嫌だ。



ハンドルの先に海が見え始めると


「ちょっとー!起きてよ!

もう着くんだから!」


私は大きな声で叫んだ。


朝早かったせいか、途中から二人は爆睡していた。



両手を挙げ、う〜ん!と伸びをすると

ひとみは窓の外を見て


「ひゃあ〜!海だぁ〜!
あたし、久しぶりだよ〜!

うわっ!すごっ!ヨットいっぱいある〜!」


子供のようにはしゃいだ。


その声に彩も起きたようで

「ふぇ?もー着いたぁん?」

と間の抜けた声を上げ、あ〜あ〜…と長い欠伸を一つ漏らした。
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