約束〜不確かな未来〜
向かい側のヨットから、大きな声で中年の男が叫んだ。
「なんだよー!お前んとこ、今日可愛子ちゃんいっぱいだな!
俺らもそっち乗せてくれ〜!」
「いいですよ!今日はこっちで行きましょうよ!」
千早人が答えた。
そのヨットのクルーたちは
嬉しそうにドリカムに乗り込んできた。
すると、ほっそりとした、やはり中年の男が
ドリカムに近付いてきて
「おぉ〜!今日はゲストがいっぱいだな…」
と苦笑した。
千早人はその男に挨拶をすると
「僕のお友達の太田美凪さんとそのお友達です」
と言い
私たちには
「このヨットのオーナーの沢田さんです」
と紹介した。
私たちは立ち上がり
「お邪魔してます!」
「お世話になりまーす!」
「よろしくお願いします!」
と元気よく挨拶した。
「はいはい、どうぞ」
ちょっとしゃがれた声で言うと、船内へと入って行った。
(ほーんと…親父ばっかりだ!)
私は一人下を向いてクスッと笑った。