約束〜不確かな未来〜
帰りの船は静かだった。
お酒をしこたま飲んでた者達は
船内やヨットの甲板など
至る所で眠りほうけている。
ひとみと彩は日焼けを気にして、船内のベッドで寝ていた。
自動操縦に切り換えられ
海の上を滑るように進むヨット…
わずかな飛沫の音が涼しげで
少しひんやりとしかけた風が頬を撫でて
とても気持ちがよかった。
私は千早人とヨットの脇の狭いスペースに座り
素足を海にパチャパチャと揺らしながら話をした。
「どうでした?楽しめましたか?」
「えぇ、ありがとうございます。
凄く貴重な体験で…
気候もよかったし、ほんと来てよかった!」
「あ〜それならよかった!
……美凪さん、たまに海を見て一人で物思いに耽ってることあるから。
退屈してるのかと思って」
「え?そうでした?
…あたし……海、大好きなんです。
海を見てると落ち着くし、波の音が安らぐんです」
恥ずかしそうに言うと
「僕と一緒だ!」
千早人は嬉しそうに言った。