約束〜不確かな未来〜

「やめて!ちぃちゃん、やめてーッッ!!」


私はそう叫んだ。

けれど千早人が止める気配はなく、勇樹を外へ連れ出そうとした。


「ちぃちゃん!聞いて!
その人、勇樹なの。
ちぃちゃんから取ったとか…そんなんじゃない!

――ずっと…好きだったから…」


私は壊れそうな程の泣き声を上げた。





「……ッ!お前が勇樹かぁ〜!」

千早人の目の色が変わり、勇樹に向かってまた飛び掛かった。


そして勇樹を殴ろうとした。


「その人は関係ないっ!
殴るなら私を殴って!」

私は勇樹の前に立ち塞がろうとしたけれど

千早人はあっという間に私を払い除けると

勇樹を殴り始めた。



―ゴンッ!ゴツン!―


鈍い音がしている。

私は払い退けられた時にバランスを失い、足をくじいてその場に倒れたままだった。



「ちぃちゃん?!警察呼ぶから」

私が冷淡に言うと、千早人はハッとして手を止め振り返った。
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