約束〜不確かな未来〜
賭け
小鳥の囀りと、柔らかい陽射しにあたしは目が覚めた。
隣でまだ眠っている勇樹の寝顔を見ると
昨夜より随分と腫れ上がっていた。
あたしはそっと手で触れながら
ごめんね…
心の中で呟いた。
「…ん……ンン…」
その感触に勇樹が顔を歪めた。
あたしは慌てて手を引っ込めた。
それからキッチンに行き、朝食の準備を始める。
その音と匂いにつられるように、勇樹が起きたようだった。
「おはよ!いい匂いだ」
勇樹はあたしの背後から近づくと、後ろから抱きしめた。
「どう?痛む?」
「ちょっと…な。でも、朝起きて美凪がいてー、旨そうな匂いがしてー
なんか、幸せ!」
勇樹はあたしの前に回り込み、頬に軽くキスをした。
それから洗面所へ向かうと
「やべー!こりゃ仕事、今日は行けないなぁ…」
勇樹が大きな声で叫んだ。
あたしは出来上がった朝食をテーブルに並べると
洗面所へ勇樹の様子を見に行った。
「今日は仕事休むよ…
久しぶりに美凪と一日いられる」
勇樹は痛々しい顔で笑った。