ニオイスミレ
無神経な彼
運命なんだと思ってた。
だって、こんな確率は滅多にないとお母さんも嬉しそうに話していた。
生まれ日、時間、病院…。
一緒に生まれて、一緒に育ってきた。
いつからか、意識するようになり、それが“好き”と自覚した時には、カノジョを連れてきた。
無神経な彼。
自覚しないほうがよかった、と
その日は学校に行けなかった―…。
高校1年の夏。