ニオイスミレ
退屈な時間


――
―――

誰かの話し声が聞こえ、目が覚めた。


カーテンを少し開け覗いてみる。



「……先生、好きです…」


椅子に座ったままの先生に、女子生徒が顔を真っ赤にして言う。

告白現場を初めて目の当たりにして、思わず耳をすませる。




「悪いな。餓鬼には興味がない」


そんなきっぱりと…。


「…どうしてもダメですか?」


大人しそうな顔して大胆な子。
2年生かな?


「何度も言わせるな。ひつこい」


「!先生っ、酷い!!」



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