ニオイスミレ



「分かった」と言い、楓と別れた。




その時の“アケミ”の表情が敵意丸出しだったのは言うまでもない。



安心して。あなたの楓はとらないから。


そんな私は卑怯じゃない。


それに、あなたの楓は私なんか好きになんないよ。


あなたに夢中みたいだから。





くるりと二人に背を向け、教室と真逆の保健室へと足を進める。





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