ヤクザと執事と私【短編】『遥か遠くのロシアにて-嵐を呼ぶ男達-』
運転手が降りてきて、後部座席のドアを開け、頭を下げる。
「乗りましょうか?」
龍一が大和と真木ヒナタに声をかけ、リムジンに乗り込もうとする。
「ちょっと待ったぁ~!」
そんな龍一に後ろから大和が声をかける。
振り返る龍一。
「何ですか、大和?」
「・・・俺、一番に乗りたいんだよぉ~!!!」
必死の形相で叫ぶ大和。
「・・・」
あきれる龍一と真木ヒナタ。
「・・・乗ればいいじゃないですか?」
龍一は、大和に道を譲る。