ヤクザと執事と私【短編】『遥か遠くのロシアにて-嵐を呼ぶ男達-』
第3節:カジノ
「部屋はどうしますか?」
龍一が、大和を見る。
「当然、スウィ~・・・・・・トルームで!」
札束を両手に持ち、いかにも成金といった姿。
真木ヒナタは、そんな大和から距離をとって、冷ややかな目で見ている。
「・・・大和、私達がさっき言ったこと覚えてますか?」
「・・・・・・・・・あっちのスーツの方がいいって話?」
「・・・右手と左手、どちらで殴られるのがいいですか?」
「あっ!思い出しました。今、ピンときました。何で俺、忘れちゃったんだろうな?・・・テヘッ♪」
必死に取り繕う大和。
龍一は、大和から札束を受け取るとフロントに行き、スウィートルームを取る。
「それでは、行きましょう。」
龍一と大和と真木ヒナタは、スウィートルームへと上がっていった。