ヤクザと執事と私【短編】『遥か遠くのロシアにて-嵐を呼ぶ男達-』
それから数時間がたち、カジノ内は、いつもと違う雰囲気に包まれていた。
その異常な雰囲気の中、真木ヒナタは困っていた。
「まったく、どこいったんだよ?」
龍一を探していたが、まったくどこに行ったのか見つけることができなかったからだった。
そんな時に、ドアの前に人だかりができているのを真木ヒナタが見つける。
「・・・行ってみるか。」
真木ヒナタが、その人ごみを掻き分けて、ドアの中を見ると、龍一がひとり、ディーラーと1対1で向かい合って座っていた。
龍一の前には、信じられないほどのコインの山+札束が積まれている。
「・・・オイ、どうなってるんだよ?」
真木ヒナタは、龍一の側にいく。
「あ、これはヒナタさん。」
そこには、明らかに興奮した様子の龍一がいた。