ヤクザと執事と私【短編】『遥か遠くのロシアにて-嵐を呼ぶ男達-』
真木ヒナタは、その店員の顔みて、すぐにポケットに手を入れる。
しかし、すぐに龍一がその手を押さえる。
「真木ヒナタさん、あなた、何をするつもりですか?」
「あっ?マフィアの一員の俺にあんな態度をとったらどうなるのか、思い知らせないといけないだろ?」
「・・・あなたは、もう、マフィアの一員ではありませんよ。私達の仲間なんですから、そういう行動は、控えてください。」
「・・・そうだったな。ただ・・・それを、マフィア相手にあれだけやった奴がいう言葉か?」
「それは、お互い様です。私は、向ってくるものにしか手は出しません・・・例外はありますが。」
「・・・ということは、あれは、仕返しってわけか?」
「・・・まぁ、そういうことです。」
それ以上、龍一は、真木ヒナタに語ろうとはしなかったから、真木ヒナタもあえて聞かなかった。