ヤクザと執事と私【短編】『遥か遠くのロシアにて-嵐を呼ぶ男達-』
「・・・ヒナタさん。スロットが壊れたってどういうことですか?」
「え?いや、何か図柄がそろったら、コインが出てくるのが止まらなくなっちゃってさ・・・。それで、お前・・・いや、龍一探してたんだよ。」
真木ヒナタの言葉に満面の笑みを浮かべる龍一。
「・・・よくやりましたね、ヒナタさん。」
「・・・何が?」
「とりあえず、そのスロットに戻りましょう。」
「・・・ああ。」
龍一と真木ヒナタは、VIPルームを出て、真木ヒナタがやっていたスロットに向う。
スロットは、とんでもない量のコインを吐き出し続けていた。
「やっと戻っていただけましたか。」
スロットの前では、困った顔の係員が立っていた。