ヤクザと執事と私【短編】『遥か遠くのロシアにて-嵐を呼ぶ男達-』
「はい。それでは、このコインを全部、VIPルームに運んでください。」
「えっ?どういうこと?」
真木ヒナタは、龍一を見た。
「・・・負けたままでは、男がすたります。」
「・・・いや、このコインの量なら、勝ちじゃないの?」
「何を言ってるんですか、あなたは!なめられたままでいいんですか?このカジノの利権を勝ち取ってこそ、はじめて勝負に勝ったことになるんです。」
「・・・カジノってそういうものじゃなかったような気が・・・」
「そういうものなんです!」
真木ヒナタは、龍一を止めるのをあきらめた。
そして大量のコインは、VIPルームへと運ばれていった。