ヤクザと執事と私【短編】『遥か遠くのロシアにて-嵐を呼ぶ男達-』
「龍一、こんな部屋で何してるんだよ?」
VIPルームの中にいた龍一と真木ヒナタのもとに大和がやってきた。
「ああ、大和。ちょうどよかったですね。」
「ちょうどよかったって?」
「今からリベンジです。」
「・・・ふ~ん。まぁ、普通の勝負ならよかったよ。てっきり何かのトラブルかと思ってさ。」
「いやいや、どこが普通なんだよ。カジノの利権と全財産を掛けてやる勝負なんて普通じゃないだろ?」
至極真っ当な真木ヒナタの意見。
「でも、もう、勝負しちゃってるんだろ?」
「そうだけど・・・。」
「それなら、後は龍一を信じて静かに見ようぜ。」
何で大和がそんなに落ち着いていられるのか、真木ヒナタには、わからなかった。