ヤクザと執事と私【短編】『遥か遠くのロシアにて-嵐を呼ぶ男達-』



「龍一、こんな部屋で何してるんだよ?」



VIPルームの中にいた龍一と真木ヒナタのもとに大和がやってきた。



「ああ、大和。ちょうどよかったですね。」



「ちょうどよかったって?」



「今からリベンジです。」



「・・・ふ~ん。まぁ、普通の勝負ならよかったよ。てっきり何かのトラブルかと思ってさ。」



「いやいや、どこが普通なんだよ。カジノの利権と全財産を掛けてやる勝負なんて普通じゃないだろ?」



至極真っ当な真木ヒナタの意見。



「でも、もう、勝負しちゃってるんだろ?」



「そうだけど・・・。」



「それなら、後は龍一を信じて静かに見ようぜ。」



何で大和がそんなに落ち着いていられるのか、真木ヒナタには、わからなかった。



< 33 / 55 >

この作品をシェア

pagetop